バンズ開発の裏側 〜道産小麦との格闘記〜
こんにちは、HOTDOG STAND FRANKENのオーナーヘッドバンドおじさんです。
前回の記事では、会社員として働きながらホットドッグ屋を開業するまでの道のりをご紹介しました。今回は、その中でもとくに時間と情熱を注いだ「バンズ開発」の裏側をお話ししたいと思います。
「バンズが命」。それは間違いない。
ホットドッグは、ソーセージだけじゃありません。
「パンがうまくないと、どんなにいいソーセージでも感動は生まれない」──これは開業前に出会ったベテランのパン職人の言葉です。
それ以来、私は「理想のバンズとは何か」をとことん追い求めることにしました。
選んだのは、北海道産小麦。
パンの主役、小麦粉。せっかくなら地元・北海道の素材で勝負したいと思い、選んだのが「道産小麦」でした。
ただし、これがまた一筋縄ではいきません。
道産小麦はグルテン量が少なく、水分を多く含む特性があり、いわゆる“ふわふわパン”よりも“もちもち系”の食感が得意。でも、それがかえって「ホットドッグに合うか?」という大きな壁になったんです。
試作地獄、パンまみれの日々
仕事終わりのキッチンで、小麦粉と水とイーストとにらめっこする毎日。
発酵に失敗してカチカチになったり、焼きすぎてパサついたり、逆に水分が多すぎて焼き上がりがベチャッとしたり…。とにかく、成功より失敗の方が多い日々でした。
最終的にたどり着いたのが、“もっちり感”を最大限に活かしながらも、ソーセージをしっかり受け止める密度のある生地。
焼き色と表面の香ばしさ、手に持ったときの軽さと食べ応えのバランス──何十回も焼き直してようやく完成しました。

形にもこだわりあり:ニューイングランドスタイル
さらに大事にしたのが“形”。
当店のホットドッグバンズは「ニューイングランドスタイル」と呼ばれる、横から開くタイプではなく、上からぱっくり開いたタイプです。
この形状のいいところは、ソーセージがずれにくく、トッピングが映えるという点。
SNSでの「映え」を意識しつつ、手に持ったときの安定感も重視しました。
100gのしっかりサイズなのに、ぺろりと食べられる──そんなパンに仕上がったのは、何よりも道産小麦の魅力があってこそです。
バンズから地域を味わう
お客様から「パンが本当に美味しい!」という言葉をいただけると、あの試作地獄の日々が報われた気がします。
「パンが美味しいホットドッグ屋」は、まだまだ少数派。だからこそ、HOTDOG STAND FRANKENのこだわりを感じてもらえるはずです。
そしてなにより、北海道の小麦農家さんたちが育てた小麦を通して、お客様にも「地元の味」を楽しんでもらえることが、私の大きな誇りです。
次回予告
次回のブログでは、ホットドッグのもう一つの主役、ソーセージの開発秘話をご紹介します!
「パリッ」「ジューシー」だけじゃない、道産豚100%のこだわりポイントをお楽しみに!
読んでいただき、ありがとうございました!
